沼津マリーさんの『実家からニートの弟を引きとりました。』(KADOKAWA)
を読了しましたので、その要約と感想をお届けします。
この記事にはこのようなことが書かれています。
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- 『実家からニートの弟を引きとりました。』の要約
- 『実家からニートの弟を引きとりました。』から学べる事
- 『実家からニートの弟を引きとりました。』はこんな人にオススメ
この記事を読めば『実家からニートの弟を引きとりました。』の要点が理解でき、
「さらに詳しく読んでみるか、要約だけでも満足できるか」
どうかが判断できるようになります。『実家からニートの弟を引きとりました。』の要約
漫画家の沼津マリーさんは福岡出身。18歳でファッションデザイナーを目指して上京し、
色々あって キャバ嬢⇒インドでキャバクラ経営⇒不動産会社⇒漫画家 という異色の経歴の持ち主。
6歳下に弟、ポン太郎(次男)君がいるのですが、弟くんは高校中退の末、ニートになり、ネットゲームに依存する日々…。
寝るのと食事以外はほぼゲーム。筋金入りのゲーマーです。
それから約2年経って、実家をどうにかしたいといういことで、東京で一緒に暮らして面倒を見ることに…
というエッセイマンガです。
ポン太郎君と一緒に暮らしてからニートを脱却するまでが、かわいい絵柄で描かれている漫画です。『実家からニートの弟を引きとりました。』から学べる事
マリーさんが弟君に接する姿勢からは学べる事がたくさんあります。
社会的役割を与える
キッカケさえあれば「自分にできることって案外、色々あるな!!」と思ってニート辞めて目標ややりたいことも出てくるはず、
という考えで、ポン太郎君に「マンガ家のアシスタント」を任せたそうです。(仕事内容は週1で消しゴムかけや原稿のスキャン・トーンを貼るなど)
ちなみにアシスタントをやってもらったのは職歴に書けるからとのこと。
あとは家事でご飯を炊くのだけはポン太郎君の担当だそうです。弟の生活について一切干渉しない
どうせ何言われようがゲームをするなら一度全肯定しよう、ありのままを一旦受け入れよう
ということで、マリーさんは本人が自分から動くまで徹底して待つという姿勢を貫きます。本の後半には精神科医・斎藤環先生との対談も少しあります。
小言をさけて何の気なしに話せる話題を増やす
それを繰り返して信頼関係を構築していく。
※話題は将来についてでなければ何でもOK
信頼関係ができたら、ここで初めて将来についてどう考えているか本音を少しずつ引き出す(長い目で)干渉を最小限に抑えた形でコミュニケーションをとる
信頼関係ができていて、人格を否定さえしなければガンガン言っていい。
『実家からニートの弟を引きとりました。』はこんな人にオススメ
ずばり、オススメな人はニート・ひきこもりの人の家族ですね。
ひきこもりの当事者のポン太郎君が語ることも少しはありますが、
漫画の合間の家族談義のところでほんの少し話すぐらいなので、メインはマリーさんやご家族など、ひきこもりの人の家族の話がほとんどです。
実のところ、この本を読むきっかけになったのも、うちの家族にもひきこもりの弟がおりまして、マリーさんはポン太郎君にどういう風に接していくのだろう?と興味があったからです。
ひきこもりといっても色々な経緯があるかと思いますが、どう本人に接すればいいか困っている方も多いのではないでしょうか。
この本は色々なひきこもりの人を抱えるご家族の中の一つと思って読むと、学べることがたくさんあると思います。
漫画なのでさらっと読めるのもオススメポイントです。感想
うちの家庭環境に似てるところがあるなあと共感しながら一気に読み終えました。
マリーさんの「社会的役割を与える」という考えと「本人のすべてを一旦全肯定する」という姿勢になるほど、と勉強になりました。
ついつい、ひきこもっている本人に文句を言いたくなることがたくさんありますが、
グッとこらえて、まずはありのままを受け入れるというのが大事なんだなあと感じました。うちの家族のことについては別記事で後日あげられればと思いますが、
家事を少し任せることで、コミュニケーションが増えたり、こちらから本人の生活について
あーだこーだ言わないことで、本人の口数が増えたり…というのは実体験としてあります。信頼関係ができていて、人格を否定さえしなければガンガン言っていい、と斎藤環先生のお話しでありましたが、
「じゃあ、うちの今の家族は信頼関係ができているだろうか?」と客観的に判断するには、自分としてはなかなか難しいなあと感じました。
マリーさんの家族は漫画を読んでいて、マリーさんとポン太郎君の信頼関係ができているのはわかるのですが、いざ自分の身になってみるとわからないですね(汗ポン太郎君は専門学校に入っているところで漫画は終わっていますが、
この本を読んで、接し方次第でうちの家族もいい方向にはもっていけるかも、という希望は持てました。 -